表はアプリ、裏はデータ。そしてその手応えを確かめる場としてのイベント。3本柱それぞれの中身と、収益がどう立ち上がるかを書いています。
01 エンタメアプリ「Ecoist」
消費者に「データを売られる」と意識させると使われません。だから分かりやすいインセンティブ(ポイ活)で大衆を動かし、 その結果として行動データが集まる、という順番で設計しています。
使い続ける理由を3層で設計
- 第1層 ポイ活
- 「得するから分別する」。参入ハードルを下げ、マジョリティを取り込む入口。5本の分別で約1円相当(PoC期間はギフト券等で代替)。
- 第2層 可視化
- 「自分の行動がCO2○gの削減になった」。今まで見えなかった貢献が数値になり、続ける理由になる。
- 第3層 ランキング
- 地域・大学・フレンド間の順位争い。競争心と承認欲求が熱狂と口コミを生む。
実装済みの機能
撮るだけで生成AIが品目を判定し、ポイントを付与。
レベル、ログインボーナス、ウィークリーミッション。
企業協賛ミッションにも対応。
不正防止付き。実在するゴミ箱に本当に行ったことを検証。
ユーザーが新しいゴミ箱を撮影して登録できる。
訪日観光客向け。アカウント不要・匿名統計のみ。
未実装・改善予定:SKU識別ロジック、証明ログ(dMRV)の記録構造、後付けセンサーとの連携、本格的なデータ保護、UIの全面刷新。
02 後付けセンサー「玉手箱」
当初はスマートゴミ箱の自社開発を想定していましたが、設備投資と開発リソースの重さから方針を変更しました。 既存のゴミ箱にカメラと通信モジュールを後付けすることで、初期費用を1台20〜30万円から3〜4万円へ圧縮しています。
記録する4項目
SKU(銘柄)。JANコードまたはラベルデザインから識別。
設置場所・ゴミ箱の個体ID。
投入が確認された日時。
アプリ連携時のユーザーID(匿名スキャンも許容)。
精度は正直に
PET・缶・ビン/実写85枚
真上視点
真上視点
真上からはラベルが写らず、キャップの印刷だけが手がかりになります。認識精度ではなく「画像に情報が存在しない」という構造的な制約です。 SKUデータとして提供できるのは、当面は大手ブランド限定というのが現状です。
構成:小型カメラ+通信モジュールで1台7,000〜10,000円。国内販売品のため技適の届出は不要。設置場所の電源とWi-Fiをお借りできることが前提です。
データ提供:誰に、何を届けるか
提供する価値は「CO2の削減量そのもの」ではなく、「証明・実測できること」です。推計や自己申告より説得力がある——ここに対価が生まれます。
どの商品が、どの地域・時間帯に多く廃棄されているか。商品開発(容量・季節別サイズ戦略)と Scope3 Cat.12 算定の両方に使えます。
市内のどこで何が捨てられるか。分別ルールの設計や、収集ルートの最適化に。
改ざん困難な形の実測記録。統合報告書・IR資料に「推計ではなく実測」と書ける根拠になります。
単価・契約形態はPoC前で未確定です。資源そのものの回収・売買には一切関与しません(データレイヤーに特化)。 Cat.12データへの需要はまだ市場形成前で、「今後できてくる」段階だと現場ヒアリングで確認しています。
収益モデル:4フェーズで遠回りする
「ゲーム=収益」が1ステップで完結するアプリと違い、Ecoistは4ステップかかります。 だからこそ、最初にマップゲームで母数を作るのが正しい順番だと考えています。
マップゲーム
収益ゼロ。ゴミ箱の宝探しとチームランキングで、とにかくユーザーを増やす。
スポンサー枠
小売・駅ビルの広告枠で最初の収益。データ販売より先に立ち上がる設計。
センサー設置
高トラフィックな場所に「玉手箱」を後付け。SKU単位の実データを取り始める。
データ継続課金
算定SaaS・メーカー・自治体へ提供。ここが収益の核。
タイミング
一次データ欠落が顕在化
ボトルtoボトル50%へ
市民の行動が変わる
市場規模:TAM 約7兆円 / SAM 約1.5兆円 / SOM(5年後の目標)約150億円。いずれもトップダウンの概算です。
03 環境体験型イベントの企画・運営
既存の海岸清掃は「環境のために行動したい」という意識をすでに持っている人しか参加できない設計になっています。 裏を返せば、環境に関心のない人には一生届きません。私たちがつくりたかったのは、その逆でした。
自分の興味や楽しさで動いた結果、気づいたら環境に貢献していた——その状態を実際に形にして検証する場が、このイベントです。 ごみ拾いを目的ではなく手段に置き、「夏の終わりのイベント」として設計しました。
ビーチクリーン福岡2026 vol.1(2026.08.30)
福浜海岸にて。参加29名、幼稚園児から社会人まで。
同時進行で、砂浜に隠した引換券の「宝探し」。
参加費300円のみ。軍手もごみ袋も用意し、手ぶらで参加できる設計。
一斉告知をやめ、一人ひとりへの個別連絡に切り替えて29名に。